ドローン国家資格って必要?
この度、ドローン国家資格(二等 無人航空機操縦士)を取得することにしました。
ドローン国家資格を取得しようと決めた理由は、一言で言えば「信頼を得え、安心・安全に業務を遂行するため」です。
これまで、よくこんな質問をいただくことがありました。
「ドローンの免許をお持ちですか?
免許がないと飛ばせないんじゃないですか?」
この質問に対して、私は以下のように説明していました。
「免許は持っていませんが、国(国土交通省)の許可を得れば、基本的な飛行は可能です。
また、飛行場所の土地の所有者や管理事務所に確認を取れば、飛行許可が下りることもあります。」
しかし、このやりとりからも分かる通り、世間では「ドローンには免許が必要で、免許がないと飛ばせない」という認識が広がっているようです。
ドローンに「免許」という概念は本来存在しない
ここで補足ですが、現状「ドローンの免許」というものは存在していません(民間で発行される独自の認定資格を除きます)。
今回取得を目指す「二等 無人航空機操縦士」は、国家資格ではありますが、自動車の運転免許のような制度とは異なります。ただ、「国家資格」という言葉が、結果的に「免許」のようなイメージを多くの方に与えているのだと感じます。
私自身も、最初は「国家資格」と聞いて、自動車免許のように取得が必須になるものだと想像していました。実際にスクールで相談した際に伺った話では、次のような背景があるとのことです。
「国としては将来的に免許制度を導入し、資格がないとドローンを飛ばせない形にしたい意向があります。ただし、現段階で急に免許制を導入してしまうと、商業用途でドローンを使用している業者に大きな影響が出るため、当面は現在の制度が維持されるようです。将来的には法改正が進む可能性もあるでしょう。」
この説明は非常に現実的かつ貴重なものでした。同時に、私自身が「資格を取得する必要性」を強く意識するきっかけにもなりました。
国家資格取得への決意
少し前置きが長くなりましたが、現状では国家資格を持っていなくても、これまで通りドローンを使った業務を行うことは可能です。それでも、「免許がないとドローンを飛ばせない」という世間の誤解が広がっている以上、資格を取得しないと空撮の依頼に二の足を踏む方が増えることが懸念されます。
私としては、クライアントの皆様に安心して空撮をご依頼いただける環境を作りたいという思いから、今回、国家資格を取得することを決めました。
ドローン国家資格とは? ~簡単に解説します~
ドローン国家資格とは、簡単に言えば、国土交通省が定める規制のある飛行を行う際に必要な「飛行許可申請」を一部免除できる権利を持つ資格です。
これまでは、規制のある飛行をするたびに飛行許可申請を出し、許可を得る必要がありましたが、資格を取得することで申請の手間を減らすことができます。
では、どのような飛行が「規制のある飛行」に該当するのか、以下にリストアップします。
【規制のある飛行(特定飛行)】
・空港等周辺、緊急用務空域、150m以上上空での飛行
・人口集中地区での飛行
・夜間飛行(条件:別途技能証明が必要)
・目視外飛行(条件:別途技能証明が必要)
・人や物件から30m未満での飛行
・催し場所上空での飛行
・危険物の輸送
・物件投下
規制対象の空域
画像引用:航空:無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法 – 国土交通省
規制対象の飛行方向
画像引用:航空:無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法 – 国土交通省
二等無人航空機操縦士の資格を取得した場合、上記のうち赤字で示した飛行については、飛行許可申請が免除されます。ただし、全ての規制が免除されるわけではなく、一部の飛行については引き続き申請が必要となる点にご注意ください。
資格を取得することで何ができるのか?
例えば、前提条件に「立入管理措置」がありますが、人口集中地区である伊勢市内の上空を機体が見える範囲内で夜間飛行させる場合、この資格があれば飛行許可申請が免除されます。ただし、これは国土交通省の規制における話であり、伊勢市が独自に市内での飛行を制限している場合は、市に確認を取る必要があります。
その他に注意したいのは、ドローンのメーカーによる制限です。例えば、多くのユーザーが利用しているDJI製ドローンは、日本国内での「機体認証」を取得していません。
「機体認証」とは、簡単に言うと、ドローンそのものが日本の法律に適合しているかを証明する制度です。この機体認証がない場合、国家資格を持っていても規制対象の飛行には別途手続きが必要となります。
今回のまとめと次回予告
以上が、私がドローン国家資格を取得しようと思った経緯と、この資格が持つ具体的な意味です。
次の記事では、資格取得のためにスクールに通った体験をお届けしたいと思います。
一言で言うなら、「思っていた以上に甘くなかった」ということ、
それと「多くの学びがあり言って良かった!」です。
スクールでの体験が、どれほど現場に役立つ学びをもたらしたのか、次回の記事をぜひお楽しみに!